岸信介と蔣介石 ―蜜月関係の実相―

書誌事項

タイトル別名
  • Nobusuke Kishi and Chiang Kai-shek : Realities of Honeymoon Relations
  • キシ ノブスケ ト ショウカイセキ : ミツゲツ カンケイ ノ ジッソウ

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説明

1957 年6 月,首相の岸信介は第1 次東南アジア歴訪の最後の訪問地として台湾を訪れ,その際,初めて総統の蔣介石との対面を果たした。以来,岸は足繁く台湾に通うようになり,蔣介石との信頼関係を築き,刎頸の交わりを結んだ。やがて岸は自民党における「親台派の中心人物」となっていく。 1971 年10 月の国連脱退,翌年9 月の日中国交正常化による断交後も変わらぬ交流を続け,蔣介石逝去に際しては大規模な弔問団を率いて台湾に飛び,生誕100 周年の時も「以徳報怨」を金看板に蔣介石を讃える国民運動を全国で繰り広げた。しかし,岸は無条件に蔣介石を賛美していたわけではなかった。少なからず不信感を抱いていたことも事実である。 2 人の個人的関係は戦後日台関係史を語る上でも重要なファクターであるが,それを単独で扱った先行研究は皆無である。本稿では主に台湾側の外交史料を用いながら,当時を知る人物へのインタビューも交え,その蜜月関係の内実を検証していく。

収録刊行物

  • 拓殖大学台湾研究

    拓殖大学台湾研究 3 1-25, 2019-03-08

    拓殖大学海外事情研究所附属台湾研究センター

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