日本とスウェーデンの援助規範意識比較に関する研究 : 福祉政策に影響する両国の援助規範意識の特性に着目して

書誌事項

タイトル別名
  • A comparative study of normative attitude toward helping in Japan and Sweden : Focus on the influence on social welfare policy of the characteristics of the normative attitude toward helping in the two countries

抄録

type:text

本稿は、日本とスウェーデンの福祉政策の前提となる国民の意識について比較調査を行なった結果を示す。調査では、以下のことが示唆された。日本人回答者の回答傾向は、人からの世話を受けたことへの返済に力を注ぎ、しかし他者に委ねることは良くないと、柔軟性に乏しく考える傾向がある。そして不特定多数の人への救済はスウェーデンより低くなる、というものである。他方でスウェーデン人回答者の回答傾向は、不特定多数の人への博愛性が強く、また相手の好意は、淡々と返そうとする。そして他者に安易に甘えてはいけないと考えつつも、本当に自分たちが困っているのであれば他者に援助を委ねることも許容するという柔軟性が認められる。そして、援助する者、される者の関係の対等性を重視する。加えて援助によるメリットがあることも否定しない、というものである。                           法制度や政策は皮相的に捉えるのではなく、国民の意識構造を認識して有機的に検討していくことが必要となろう。決して日本人回答者では援助をする意識が無いわけではなく、意識の構造が異なるのではないか。ただし、その意識構造の差異を認識することがきわめて重要な出発点となると考えられる。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1050564288193949568
  • NII論文ID
    120006419043
  • ISSN
    02852454
  • Web Site
    http://id.nii.ac.jp/1351/00002451/
  • 本文言語コード
    ja
  • 資料種別
    departmental bulletin paper
  • データソース種別
    • IRDB
    • CiNii Articles

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