地域経済類型と地域権力構造

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  • チイキ ケイザイ ルイケイ ト チイキ ケンリョク コウゾウ

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抄録

本稿は,地域経済の差異に基づく地域類型を設定し,各類型において成立する可能性の高い権力構造のパターンについて考察するとともに,そのうちの2類型に関して検証を試みるものである。我が国の地域政治研究は,個別性が強く,比較の視点を欠く。これは,比較を可能にする前提条件である地域の類型化がなされていないことによる。そこで,本稿では,地域経済の差異に基づく地域の類型化を行なう。そのため,まず地域経済の差異を生みだした高度成長以降における日本経済の地域的編成の特徴について考察する。次に,この特徴に照らして,巨大都市,地方中核都市,城下町型工業都市,進出型工業都市,地域産業都市,住宅都市,農村・小商業都市の7類型を設定する。このうち,巨大都市は,地方中核都市と類似性を示す。そこで,巨大都市を除いた6類型において,経済構造及び社会構造,そしてこの両者を基礎にして存立してくる権力構造について論述していく。さらに,地域産業都市の事例としてS市を,農村・小商業都市の事例としてY町を取り上げ,その検証を試みたい。

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収録刊行物

  • 総合都市研究

    総合都市研究 (31), 55-70, 1987

    東京都立大学都市研究センター

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