雑誌『スタイル』初期にみる宇野千代のきものの美意識

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  • ザッシ スタイル ショキ ニ ミル ウノ チヨ ノ キモノ ノ ビイシキ
  • The Appearance of Chiyo UNO's Japanese Kimono Aesthetic in Style Magazine

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作家である宇野千代が編集長となり1936年から発行した雑誌『スタイル』は、一見すると西洋のファッション情報中心の雑誌であったが、実はきものに関する情報も発信されていた。和服のきこなしの基本としての、粋で艶やかな芸妓が毎号のように掲載されていた。つまり、きものの美意識の根底には日本の江戸時代から続く「粋(いき)」があった。しかし、宇野はまた、洋服生地でできたきものや、カーテン生地でできた帯など、新しいきものの形を提案した。それは、スタイルに寄稿する作家や評論家、読者達に支持された。西洋の最先端のファッションを掲載した雑誌だからこそ、新しいきものも、より魅力的なものとして受容されたと推察できる。宇野はこのことで、新しいきものへの確信をえることができ、戦後、古いしきたりを超えて新しいきものの提案者として活躍できる礎となったと、考えることができる。

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