ACLS対応のステップアップ学習 : 学習プログラムの概要ならびに1年目の報告

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  • ACLS タイオウ ノ ステップアップ ガクシュウ ガクシュウ プログラム ノ ガイヨウ ナラビニ 1ネンメ ノ ホウコク

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抄録

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私たちは看護学科を擁する大学として,豊かな人間性と共に高度な専門性を備えた学生を育成したいと考えている。その1つが,救命救急法に関する知識の充実と技術の向上である。今回,その一環として,ACLSに対応できる技術の習得方法の工夫を掲げ,「ACLS対応のステップアップ学習」と銘打ち,4年間の学習プログラムを計画した。今回は初年度の成果報告を中心に行う。初年度は,BLSの手技を習得することを目的に実施した。1年目の終了時に独白に作成したチェックリストにてBLSの習熟度検定および自己評価,心肺蘇生法に関するアンケートを行った。BLSの習熟度検定では数名の者が不合格になったが,最終的には全員が合格した。今回,手技の習得状況は良好だったと考えられるが,各項目を点数化し比較したところ,「2回の呼気吹き込みが有効でないと判断された場合,頭の位置を変えて再試行する」,「脈の確認中,気道確保を維持する」という2項目に点数が低い傾向がみられた。BLSの習熟度に関する自己評価では各項目とも高得点を示した。なかでもBLSの手技のうち最も重要と考えられるABCの手順の「気道確保の実施」,「人工呼吸の実施」,「胸骨圧迫心マッサージの実施」の各技術も高得点を示した。しかしながら,「人工呼吸の評価」および「脈の確認」の点数は低めであり,今後,上述のBLSの習熟度検定で点数が低い項目と併せて再指導かつ強化していく必要がある部分と考えられる。BLSに関するアンケートでは,今回,初めてBLSを体験する者が約20%いたが,BLSの実施が必要となる場面に遭遇したら100%の者が何らかの形で関わりをもつと答えており,本学習プログラムの学習効果の表れではないかと推測された。以上のことより「演習を重ねBLSの習得を目指す」という目標は達成できたものと考える。

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