通信制高校における不登校経験者のその後の適応:不登校期間、不登校時の心身の状態に着目して

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本研究では、A通信制高校373名を対象に質問紙調査を行い、その中でも特に不登校経験者216名に着目し、不登校経験(時期、期間、心身の状態)とその後の適応(高校出席状況、不登校への今の気持ち)との関連、不登校経験による成長について検討を行った。 1)A通信制高校の約6割が不登校経験者であり、不登校期間が1年未満の生徒は約3%と少なく、1年以上の継続した不登校経験がある生徒が多く見られた。不登校時の心身の状況としては、「家での暴力や反抗」を約8割、「身体症状」「抑うつ状態」「昼夜逆転や生活の乱れ」を約5~6割の生徒が経験していた。 2)不登校経験者の約8割は高校での出席が良好であり、約半数は「もう不登校時代には戻らないと思う」と回答していたが、こしたその後の適応状況には、不登校時の「ひきこもり」「無気力」「抑うつ状態」「昼夜逆転や生活の乱れ」の有無によって差がみられることが示唆された。 3)「もう不登校時代に戻らないと思う」生徒は、「いつ戻るかわからない」生徒に比べ、不登校経験を自分が成長した機会と捉えていることが示唆された。

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