音楽鑑賞教育における経験されるものとしての音楽観の必要性─T. デノーラの〈音楽イヴェント〉概念の検討をとおして─

書誌事項

タイトル別名
  • The Necessity for a Viewpoint Which Regards Music as Being Experienced in Music Appreciation: the Sociological Trial of Tia DeNora
  • オンガク カンショウ キョウイク ニ オケル ケイケン サレル モノ ト シテ ノ オンガクカン ノ ヒツヨウセイ : T. デノーラ ノ 〈 オンガク イヴェント 〉 ガイネン ノ ケントウ オ トオシテ
  • オンガク カンショウ キョウイク ニオケル ケイケン サレル モノ トシテノ オンガクカン ノ ヒツヨウセイ T. デノーラ ノ オンガク イヴェント ガイネン ノ ケントウ オ トオシテ

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説明

日本の音楽科教育は戦後, クラシック音楽を基盤とし, 音楽の美によって児童・生徒の美的情操を養うことを目標としてきた. そのため, 音楽鑑賞教育では 「静かに聞く習慣を養う」 ことが教科内容の一つとされてきた. 美は必ず存在し, すべての人間はそれを享受できるはずだと考えられてきたのである. だが, 平成 23 年度小学校学習指導要領で初めて 「様々な音楽」 を扱うことが明示された. 世界各国・各地域の 「様々な音楽」 の教育に, クラシック音楽で前提とされる 「美」 という価値観や, クラシック音楽の鑑賞に必要とされる 「静かに聞く習慣」 がそのまま適応されるべきではないことは明らかである.こうした点において, 音楽鑑賞教育は視点の転換を迫られていると言えるが, その理論的なモデルは模索中である. そこで本論文では, イギリスの社会学者 T. デノーラの理論 音楽イヴェント に着目する. デノーラに独特の理論をとおして, 現代の音楽鑑賞教育に必要であると考えらえる, 音楽を経験されるものと見なす捉え方を提示することを目指す.

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