田能村梅士と岡田朝太郎 : 唱道者と実践者

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タイトル別名
  • Baishi Tanomura and Asataro Okada : advocate and practitioner
  • タノムラバイシ ト オカダ チョウ タロウ : ショウドウシャ ト ジッセンシャ

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抄録

著者は中国法制史を研究している際に、明治期に中国法制史を研究した『世界最古の刑法』と、その著者である田能村梅士なる人物を発見し、彼について調査している。今回はその調査の一環として、川柳などの滑稽文学や美術に造詣が深く、田能村の持つ「滑稽文学者」、「明治大学職員」、「支那法制史研究者」という三つの顔すべてに関わった岡田朝太郎を取上げ、両者を対比させる事で、田能村の像に新たな光を当てることを試みた。そこで本稿では岡田が渡清するまでの期間における、田能村が在籍していた読売新聞及び明治大学機関誌を中心として、そこから垣間みえる両者の交流に関する資料の提示をした。田能村と岡田が共有する分野であるところの、明治法律学校(明治大学)、「支那法制史」研究、滑稽文学でのそれぞれの姿勢を検討することにより、淡々とおのが研究を積んでいった実践者岡田に対して、田能村の、自分の信じる道を世に主張する唱道者としての姿が浮かび上がってくる。そして田能村にとって岡田は、「支那法制史研究」でも滑稽文学でも、自らの理想を体現していく、理想の法学者であったと考えられる。

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