8 kbit/s 音声符号化ITU-T標準の演算量削減版 (Annex A)勧告の経緯と品質評価(情報表現学科)

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  • History of standardizing complexty-reduction algorithm (Annex A) to 8-kbit/s G.729 in ITU-T and its Quality Assessment(Department of Information Expression)

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抄録

ITU-Tの8 kbit/s音声符号化方式G.729の演算量削減版がAnnex Aとして勧告された経緯とのアルゴリズムの特徴、及び、品質評価について述べる。Annex Aは、電話網上でモデムを介して、PC等の端末装置間でディジタルデータと音声とを同時に送受する方式DSVD (Digital Simultaneous Voice and Data)のITU-T勧告V.70に使われることを主目的として、G.729の演算量削減により開発された。DSVD用音声符号化式は、低ビットレート、商用電話品質、短遅延時間、低演算量が望まれ、また、伝送効率の要請からVAD(voice Activity Detection)機能の併用が必須である。G.729 CS-ACELPは、演算量を除いてほぼすべて要求を満たしていたが、Annex Aは演算量を大幅に削減し、DSVDの要求に合致させたものである。品質評価は、日本語ほか複数国語で行われ、G.729本体とAnnex Aが相互に接続可能であり、かつ、所定の品質条件を満たすことが明らかとなった。DSVD方式はその後、インターネット上のバケット音声通信にとって代わられるが、音声符号化標準は広くVoIP(Voice over Internet Protocol)などに使用されその用途が拡大している。

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