市場メカニズムと最適資源配分・所得分配機能

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  • Market Mechanism, Optimum Resource Allocation and Distributive Justice

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本稿では、第1 に、所得と資産分配に果たす市場メカニズムの役割を示し、市場には所得分配と資産分配の不公正を是正するメカニズムも働くという仮説を示唆する。第2 に分配に関する1~4の仮説を提示する。1の仮説は、工業化から成熟経済に至る過程で労働分配率がU字型の趨勢変動をするという仮説である。2の仮説は、資産の労資間分配も所得分配より少し遅れて、不平等化する段階から平等化する段階に移行する論理的可能性を示唆する。以上はpositive な論であるが、3と4はnormative な仮説である。3の仮説は雇用されている労働者の雇用期間全期にわたっての賃金の現在価値を最大にするという意味での最適労働分配率に関する定理を示唆する。最後に4の仮説では三つの意味での分配公正(distributive justice)と効率の改善とを同時に実現できるポリシー・ミックスを示唆する。

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