フリーマーチン症に関する免疫遺伝学的研究

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タイトル別名
  • Immunogenetic Studies on Freemartinism in Cattle
  • フリーマーチンショウ ニカンスル メンエキ イデンガクテキ ケンキュウ

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抄録

論文(Article)

【緒論(抄)】フリーマーチン研究の主流は,①Lillieに代表される古典的手法に基く発生形態学的ならびに内分泌学的研究と,②Owen('45)に初まる赤血球表面の抗原に対する遺伝学的免疫学的追跡による赤血球キメラの分析,③Ohno('62)等による組織培養に基づく白血球染色体の構成分析に,三大別され得る.これらの研究の理論的,技術的目標は,フリーマーチンの発生要因の分析と早期診断技術の確立であり,さらに性分化の人為的統御の基礎資料をフリーマーチン現象を通して得ることでもあると考えられる.したがって本論文の目的は,フリーマーチン症を血球キメラ体として把握し,独立に発展した免疫学的手法と組織培養法を主な分析法として併用し,①赤血球と白血球の血管吻合下における諸関係の解明,②同時にこれらの血液細胞のキメラとフリーマーチン症の関連を分析することにある.そのための基本的立場あるいは血液型研究における著者の意図するところは,赤血球又は血清中の抗原群を単に免疫学的に表現するだけに止まらず,これらの型物質がどのような遺伝子支配の下にあるのか分析しその意義を整理することにある.なお本論文の大部分は,東北大学審査学位論文として使用されたものである.

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