土のコンシステンシー限界のレオロジー的意義

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  • ツチ ノ コンシステンシー ゲンカイ ノ レオロジーテキ イギ エイブン
  • The Rheological Significance of Consistency Limits of Soil
  • ツチ ノ コンシステンシー ゲンカイ ノ レオロジーテキ イギ

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論文(Article)

【摘要】コンシステンシーという語は,一般にやわらかい物体が,外力をうけたときの変形または流動に対して抵抗する性質を評価するもので,材料のレオロジー的性質を示すものである.土のコンシステンシー測定については,力学的な試験法のかなりの部分をこれに含めて考えることもできるが,普通はコンシステンシー状態を区分するアツターベルグ限界が中心となろう.ここでは特にその中で,塑性領域の上下限を決める液性限界と塑性限界に焦点をしぼり,一見,全然似ていないこの二つの試験法が,何故に上下限を決めうるか,試験法の意義や,力学的内容についてレオロジー的な考察と検討を加えた.はじめに,粘弾性体としての土の理解が必要であることにふれ,力学的スペクトル弾性の機構,シキソトロピー流動などに特徴づけられる土のレオロジー的挙動を把握するためには,状態量としてのpFスケールで、表-1のように整理されることを示した.そこで用いられた力学的転移点(mechanical transition pointは,弾性率,粘性率などのレオロジ一定数の測定によって決められるべきものである.しかし実用的な液性,塑性の両限界試験法のレオロジー的意味は実は充填状態の変化,すなわち状態量(statevariable)の変化が降伏値に影響することを巧みに利用したものであることを明らかにした.したがってこれらの試験でえられるコンシステンシー限界は実用的には力学的転移点に近いものとして考えられることを示した.このような観点から公定法の意味を整理すると,一見似ていない25回皿たたき法とフオールコーン法のいずれでも液性限界が測れること.液性限界によって圧密試験の圧縮指数が推定できること.塑性限界によって締固め試験の最適合水比が推定できることなどのこれまでの数々の疑問に対し,統一的解釈のもとにすべて説明することができる.そしてこれまた,レオロジー的挙動を土の状態量の反映としてとらえ,整理していく方向から導かれた成果でもある.

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