秋まきごく早生キャベツのマルチ栽培とその後地利用に関する研究

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  • アキマキゴク ワセ キャベツ ノ マルチ サイバイ ト ソノゴ チ リヨウ ニ カンスル ケンキュウ

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抄録

1.秋まきごく早生キャベツの生産を安定する一方法としておそまきマルチ栽培をした場合のは種期,定植期施肥およびその後地利用について昭和43~45年度にかけて検討した。2.生育におよぼすマルチの効果は千葉農試,銚子市においてすべてのは種期について認められた。3.千葉農試においては昭和43年度,44年度とも,9月26日,10月1日まきマルチ区ははやまき裸地より後期生育,収量ともまさった。4.マルチ区の中で同一は種期では早植えはおそ植えより生育はまさった。5.9月11日のはやまきで寒冬であった昭和43年度と暖冬であった昭和44年度の花芽分化期は暖冬の年の方が約1か月早い。6.千葉農試,銚子とも同一は種期では花芽分化期はマルチ区は裸地区より早い。7.早まきで2月下旬に分化した昭和43年はほとんど抽台せず,2月中旬までに分化した同44年は60%の抽台を示した。8.千葉農試において9月26日,10月1日のおそまきは花芽分化期は3月以降となり抽台はほとんどしなかった。9.千葉農試においては昭和43年では7日以上収穫期が前進し,同44年では9月21日~9月26日は種のマルチ区が早期収量,全収量とももっともまさった。10.銚子地方におけるマルチの効果は地域により異なり温暖な高神町は増収率高く,春日,常世田の順となった。11.銚子における早期は種期においては昭和43年度を除いて,44年,45年とも抽台率は高神町がもっとも低く,常世田町は常に高い。12.昭和45年度の銚子地方の収穫期は平年に比べ,20日ほど遅れたが,4月中旬までの早期収量では30~100%の増収となった。13.土壌電気伝達度は2月頃まではマルチ区は裸地区よりも高く,特に速効性肥料主体区が高かった。3月以降は差がなくなった。14.地下部の発育は1月下旬までは緩効性肥料主体マルチ区が一番まさっていたが2月以降は差がなくなった。15.速効性肥料主体-全量基肥-標準施肥量-マルチ区が昭和43年度は一番収穫不可能株数が高く,昭和44年では処理間の差はなかった。16.もっとも多収となったのは緩効性肥料の溝施肥法である。17.施肥時期は緩効性肥料,速効性肥料とも定植直前に行うのがもっとも寒害少く,多収となった。18.マルチ栽培後のマルチのベッドは土壌の物理性もよくそのまま利用できそうなのでマルチ栽培のベッドの特性を検討したところ,新旧マルチによる地温の差はないが,施肥法,施肥量について問題があった。19.キャベツをマルチ栽培した後地の適作物を選定するため種々の作物を供試して,栽培試験したところラッカセイ,原料用カンショはそのままで適し,基肥,追肥をやればできるものはダイコン,スイカ,サトイモ,ショウガ,スイートコーンなどである。

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