クワ品種の分類における主成分分析法の適用

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  • クワ ヒンシュ ノ ブンルイ ニ オケル シュセイブン ブンセキホウ ノ テキ

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抄録

枝条数,節間長,節の曲直,葉の長さ,枝の姿勢,脱苞期および落葉期に関する調査結果から主成分分析によってクワ50品種の分類を試みた,第1主成分と第2主成分の寄与率は,それぞれ42.6%,21.2%であった.第1主成分には枝条数および葉の長さに関する情報が多く,第2主成分には枝の姿勢および節間長に関する情報が比較的多く含まれていた.両主成分のスコアの散布図から50品種を3つのグループ,すなわち,A群,B群およびC群に大別したところ,従来の分類法で所属する系の明らかな41品種のうち,ヤマグワ系(M. bombycis KOIDZ.)10品種,カラヤマグラ系(M. alba LINN.)6品種およびロソウ系(M. latifolia POIRET)14品種は,それぞれA群,B群およびC群に属していることがわかった.従って,A群,B群およびC群は,それぞれヤマグワ系品種群,カラヤマグワ系品種群およびロソウ系品種群であると考えられた.しかし,ヤマグワ系でありながら,A群に属さない品種が5品種,カラヤマグワ系であってもB群にしか属さない品種が4種,またロソウ系であってもC群に属さない品種があった.一方9品種については,従来の分類で所属する系が明らかでなかったが,主成分分析の結果,ヤマグワ系,カラヤマグワ系およびロソウ系にそれぞれ3品種が分類されると推察された.

収録刊行物

  • 蠶絲試驗場彙報

    蠶絲試驗場彙報 (105), 147-157, 1977-07

    つくば : 農林水産省蚕糸試験場

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