シマグワの生育特性ならびに栽培法に関する研究(4) : シマグワの新梢さし木法について

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  • シマグワ ノ セイイク トクセイ ナラビニ サイバイホウ ニカンスルケンキュウ

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シマグワの効率的繁殖法を探る目的で,新梢さし木法についてつぎのような試験を行った。すなわち,シマグワ新梢の採取時期とさし木発根に対するNAA,IBAの影響ならびにさし木法とさし木発根の関係について調査を行うとともにシマグワ3系統(M28,M32,M38)の新梢さし木に対するIBAの影響について調査し,併せて新梢さし木法の可能性について検討した。得られた結果はつぎのとおりである。1)シマグワ新梢のさし木発根力は新梢の採取時期によって異なり,脱苞後30日目ではさし穂が未熟なため発根率が低く,脱苞後50日目以降高い発根率が得られた。発根数と根重は脱苞後50日目頃から増大しはじめ,さし穂が十分充実する脱苞後70日目以降急増した。2)シマグワ新梢のさし木発根に対してNAAとIBAは顕著な効果を示し,NAAの場合脱苞後70日目前後を中心に10~20ppmの範囲で著しい効果があった。また,IBAの効果は概して脱苞後60~70日目頃5.0~10.0ppmの処理を行った場合にとくに顕著であった。3)密閉ざし区とミストざし区は露地ざし区に比べ発根力が優れており,NAAやIBA処理により両区の発根力はさらに高まり,密閉ざしとミストざしの有効性が示唆された。4)シマグワ3系統はいずれもIBA処理によって発根数や根重に影響がみられ,M28とM32は2.5ppm区,M38は5.0ppm区において最も効果が著しかった。また,同3系統は新梢さし木による活着率が高く,ポリエチレンフィルムを用いたトンネルによる慣行の新梢さし木法で十分活着しうるものと推察された。

Journal

  • 蠶絲試驗場彙報

    蠶絲試驗場彙報 (117), 9-20, 1983-04

    つくば : 農林水産省蚕糸試験場

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