鶏ふん多量施用土壌における土壌養分の動態とホウレンソウの生育

書誌事項

タイトル別名
  • ケイフン タリョウ セヨウ ドジョウ ニ オケル ドジョウ ヨウブン ノ ドウ

この論文をさがす

説明

鶏ふんを多量施用して,ホウレンソウの周年栽培を行っている圃場において,土壌養分の動態を調査した。その結果は以下の通りであった。1. 鶏ふんを10a当り30t施用したときの養分投入量は,N:140,P2O5:360,K2O:77,CaO:580,MgO:90kg/10aで,ホウレンソウを年3作栽培したときの養分吸収量の合計は,N:13.4,P2O5:4.1,K2O:52.2,CaO:4.3,MgO:7.0kg/10aであった。2. 鶏ふんの多量施用圏場では,表層土壌のpHは7前後で,置換性CaOは1000mg/100g以上,置換性K2Oと可給態P2O5は100mg/100g以上で,NO3-Nは表層よりもそれ以下の層で高かった。そして,60cm以下の層では置換性CaOと可給態P2O5は低かったが,置換性K2Oは100mg/100g以上,NO3-Nは70mg/100g以上の圃場がみられた。3. 鶏ふん施用直後に上層(0~20cm)のNO3-N,置換性MgOとK2O,可給態P2O5は著しく高くなるが,置換性CaOは施用前後で大きな変化はみられなかった。そして,その3ヶ月後には,NO3-Nは30cm以下の深さに移動していたが,置換性CaOと可給態P2O5に大きな変化はみられなかった。また,可溶性CaO(0.5M塩酸可溶性)は上層では置換性CaOの約2倍と高く,下層では両者はほぼ等しい値であった。4. 置換性CaOおよび可溶性CaOの高い鶏ふん連用土壌で栽培したホウレンソウの収量は,堆肥連用土壌で栽培した場合より高かった。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ