ランドサットTMデータを用いた混層深耕による黒ボク表土の腐植含量低下の実態解析

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  • ランドサット TM データ オ モチイタ コンソウ シンコウ ニ ヨル クロボ

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抄録

最近,北総火山灰台地の野菜畑ではトレンチャの混層深耕による表土の腐植含量の低下が問題になっている。この実態を明らかにする目的で,富里地域(東西14km,南北11km)を対象に1985年1月および1987年7月のTMデータから腐植含量区分図を作成した。以下に解析の経過を示す。1. 1月のTMデータでは裸地の畑地が大部分を占める。それゆえ,この時期は腐植含量区分図の作成に有効であった。混在する水田の裸地は水稲が被覆した7月のTMデータによって除くことができる。したがって,7月から畑地を,1月から裸地を識別した。さらに両画像を重ね合わせて裸地畑を抽出した。2. 表土の腐植含量(H)は土壌環境基礎調査データ(1981年~1987年)とTM3データより次式で推定した。logH=-0.0268(TM3)+1.71(n=15, r=-0.88) 3. なお,土壌の全炭素の分析は土壌環境基礎調査ではCNコーダー法,地力保全基本調査(1959年~1973年)ではチューリン法を用いているので次式によってチューリン法に統一した。すなわち,黒ボク土・表土の全炭素含量値をチューリン法; Y,CNコーダー法; Xとすると,Y=0.708X+0.240(n=35, r=0.98)であった。4. 腐植含量区分図(1985年)は1/5万の縮尺でカラー出力し,従来の土壌図および分析データ(1959年)と比較した。その結果,対象地域では表土の腐植含量が低下し,混層深耕の影響が著しいことが認められた。また畑地に占める深耕部分の面積は約62%と推定された。

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