ニホンナシ花粉採取専用樹の仕立て法

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タイトル別名
  • ニホンナシ カフン サイシュ センヨウジュ ノ シタテ ホウ

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説明

ニホンナシの人工受粉の省力化を目的とした,樹高の低い花粉採取専用樹の仕立て法を比較検討した。得られた結果は以下のとおりであった。1. 花粉が実用的に安定して採取できるまでの定植後年数は開心自然形,主幹形は2~3年,一文字整枝は4年,H型整枝は5年であった。2. 定植6~7年後の樹冠占有面積1m2当たりの切り枝用の1年生枝数は,主幹形が多く,一文字整枝およびH型整枝は少なかった。また,1年生枝長は主幹形で長く,H型整枝および一文字整枝で短かった。3. 定植6~7年後の腋花芽着生率は, H型整枝,一文字整枝で高く,1年生枝1本当たりの腋花芽数も,H型整枝,一文字整枝で多かった。定植6~7年後の樹冠占有面積1m2当たりの腋花芽数は,開心自然形,H型整枝で多く,主幹形で少なかった。また,定植3~7年後の5年間の累計では開心自然形で多く,一文字整枝,H型整枝で少なかった。4. 純花粉採取量は,定植6~7年後の腋花芽数に基づく試算では,開心自然形,H型整枝で多かった。5. 切り枝の採取時間は,切り枝1本当たりではH型整枝,花そう100g当たりではH型整枝,一文字整枝で短かった。また,純花粉1g当たりではH型整枝,一文字整枝で短かった。6. 以上のことから,H型整枝および一文字整枝は純花粉の採取能率が優れており,花粉採取専用樹に適した仕立て法であると考えられた。また,開心自然形は定植後早期に花粉を採取するには有効な仕立て法であると考えられた。

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