雨除けによるキウイフルーツ花腐細菌病の病原細菌の感染時期の推定と防除
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説明
キウイフルーツ花腐細菌病に対し,雨除け被覆資材を利用して,降雨に伴う病原細菌の主要な感染時期を推定し,雨除けの防除効果ならびに収量に及ぼす影響を検討し,防除対策を明らかにした。1. 病原細菌の花蕾への侵入,感染は,花蕾出現期頃から始まり,花蕾肥大盛期~萼裂開前頃にピークを迎え,開花期まで続くことが明らかとなった。また,花蕾肥大盛期~萼裂開前頃の降雨が本病の発生に最も強く影響し,主たる侵入,感染時期と推定された。それ以前の萌芽直前~新梢叢生期頃の降雨は発病にはほとんど影響を及ぼさず,侵入,感染にはほとんど関与しないと思われた。2. キウイフルーツの雨除けは,本病に対して顕著な防除効果が認められ,開花期までの被覆期間が長いほど効果は高かった。また,経済栽培が可能と思われる収量2t/10a以上を目標収量とすると,本病の防除に有効な雨除けの開始時期は,萌芽直前の3月下旬から花蕾出現期の4月下旬頃であることが明らかとなった。3. 花蕾肥大期~花弁出現期の薬剤散布は,単独では効果が極めて低かった。雨除けと併用してもその効果はわずかで,実用的ではなかった。雨が多く本病の発生が多い地域では,本病の薬剤防除は極めて困難と思われた。
収録刊行物
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- 千葉県暖地園芸試験場研究報告
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千葉県暖地園芸試験場研究報告 (18), 15-23, 2000-03
千葉県暖地園芸試験場
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050564288614892672
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- NII論文ID
- 220000080309
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- NII書誌ID
- AN00142396
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- ISSN
- 03887774
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- journal article
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- データソース種別
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- IRDB
- CiNii Articles