ナラ類集団枯損被害立木へのくん蒸剤注入によるカシノナガキクイムシとナラ菌の防除法の改良

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  • ナラルイ シュウダンコソン ヒガイ タチキ エ ノ クンジョウザイ チュウニュウ ニ ヨル カシノナガキクイムシ ト ナラキン ノ ボウジョホウ ノ カイリョウ

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筆者らはこれまでに日本海側を中心に発生し、終息のめどがたっていないナラ類の集団枯損被害に対する薬剤による枯損立木への直接注入処理方法について開発した。この処理方法は、ナラ類の枯損に関与するカシノナガキクイムシは樹幹下部に集中して生息することから、薬剤処理の範囲を地際から地上1.5mとし、虫の複雑な穿孔に接触・貫通するように薬剤注入孔をあけ、ガス化の早いカーバム系くん蒸剤を注入処理するものである。本処理法の実用上の課題である使用器具の検討と施用方法の改良について試験した。その結果、(1)背負い式の2サイクルエンジンを動力とするドリルを使用することにより作業性や作業効率が向上した。(2)直径10.5mm・深さ25mmの薬剤注入孔をあければ使用する薬液量も約2ml/孔と少量で有効に処理でき、環境への負荷を軽減できた。(3)注入孔の配置は、地際から地上50cmは10cm千鳥、50cmから150cmは20cm千鳥とすることが効果的で、その場合は薬剤注入部ではカシノナガキクイムシを完全殺虫でき、処理木全体でも約9割の殺虫が可能で効率的な駆除ができた。本処理によりカシノナガキクイムシの密度が低下し、枯損の原因となるナラ菌の分散抑制が図れるもの考えられる。

Journal

  • 研究報告

    研究報告 (29), 11-19, 2001-05

    寒河江 : 山形県森林研究研修センター

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