水稲新品種「あさひの夢」の育成

Bibliographic Information

Other Title
  • スイトウ シン ヒンシュ アサヒ ノ ユメ ノ イクセイ

Search this article

Description

あさひの夢は、1996年に愛知県農業総合試験場において育成した水稲品種である。その来歴、特性は次のとおりである。 1.1985年、愛知県農業総合試験場において愛知70号(後のあいちのかおり)を母本とし、愛知56号(後の月の光)と愛知65号とのF1を父本として人工交配した後代から育成した品種である。交配の翌年、ほ場でF1を養成し、1986年から87年にかけて世代促進温室でF2~F3集団を養成した。1988年、F4集団を圃場に展開し、その後は系統育種法に従って選抜・固定を進めた。1991年、F7世代に「愛知93号」の系統名を付名し、1996年に品種登録出願を行った。 2.本種は、日本晴、黄金晴と同熟期の早生のうるち種で、稈長は黄金晴より5cm程度短く、穂長は3~6mm長い。穂数は黄金晴よりやや多く日本晴より少ない。黄金晴と同程度の強稈で、草型は偏穂重型に属する。収量は日本晴、黄金晴より多収で、玄米千粒重は黄金晴よりやや大きい中粒である。玄米の外観品質は良好で、食味は愛知70号(あいちのかおり)由来で、粘りはやや少ないが、味、外観に優れ良い。 3.縞葉枯病にはModanに由来する高度抵抗性を有し、穂いもちには強の抵抗性を示す。白葉枯病、紋枯病に対する抵抗性は中位である。穂発芽性はやや難~中で日本晴とほぼ同程度である。 4.本種は、温暖地平たん部の早植え~普通期栽培地帯に適し、早植栽培から普通期栽培まで適応作期幅が広い。耐倒伏性は強いが、良食味米生産のためには多肥栽培は避け、適期収穫に努めることが必要である。

Journal

Citations (5)*help

See more

Details 詳細情報について

Report a problem

Back to top