大分県豊後水道沿岸域における養殖漁場の合成指標による底質評価

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抄録

1)COD、全硫化物、強熱減量の3項目の標準化データを用いた相関行列による主成分分析を行った結果、第一主成分は底質汚染の大きさを表し、以下の式で表された。 第一主成分=0.533×(IL-3.57)/2.57+O.607×(COD-13.75)/13.12+0.589×(TS-0.35)/0.63=合成指標 2)合成指標の判定基準は、水産用水基準との対応関係から検討した結果、以下のとおりとなった。 「正常泥」合成指標<0 「汚染の始まりかかった泥」0≦合成指標<1.5 「汚染泥」1.5≦合成指標 3)各調査点の底質環境の評価を、合成指標とその判定基準に従い行った結果、1993年~1996年(後期)は、「汚染泥」が、入津、小田代、片神の3調査点、「汚染の始まりかかった泥」が、彦島、小向、猪串、片白島、米水津1、鮪浦、上浦魚、赤崎外の8調査点となった。 4)合成指標と内湾性指標の間には正の相関(P<0.05)が見られ、内湾性の漁場ほど底質汚染が進みやすく、底質汚染に及ぼす漁場の内湾性(海水流動)の影響が大きいことが窺えた。

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