ゴマサバScomber australasicusに適した耳石による年齢査定法

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説明

ゴマサバは日本周辺における産業上重要種でありながら、生息域や回遊状況などの生物情報は十分ではない。環境変動に伴う資源開発の把握やTACによる資源管理を進めるためには個体レベルでの信頼できる年齢査定方法が必要であるが、ゴマサバで推奨されている年齢形質の鱗は、鱗の脱落のためまき網漁業でのサンプル入手が困難なこと、輪紋の不明瞭な個体が多い等の問題点が指摘されている。サバ類の年齢形質としては、鱗以外に耳石、脊椎骨、鰓蓋骨等があげられ、ゴマサバでは脊椎骨について年齢査定した報告があるが、耳石による年齢査定については他魚種に比べて輪紋が不明瞭のためほとんど報告されていない。鱗による年齢査定では、採取した鱗の大きさにばらつきがあり各輪紋までの距離が一定でないため、輪紋半径と体長の相関関係に基づく輪紋形成時の計算体長の推定が困難なことが挙げられるが、耳石を年齢形質として用いると、資源生物学上重要な情報となるコホート毎の各輪紋形成時の体長が推定できる利点がある。本研究では、ゴマサバの耳石輪紋が年齢査定に使用できるがどうかを検討するとともに、その輪紋数を現在ゴマサバの年齢形質として使用されている同一個体の鱗の輪紋数と比較して、耳石を使用する有効性を検討した。

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