穀物価格決定方式からみたアメリカ穀物輸出ビジネスの再編

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説明

アメリカの穀物輸出の大部分を担っているとされてきた穀物メジャーは、近年ではカーギル社がコンチネンタル・グレイン社の穀物流通施設を買収するなど劇的な再編を遂げている。こうした再編の特徴を簡潔に整理すれば、次のようになろう。第一に、輸出ビジネスが集中化したことである。穀物輸出を営む企業は、1980年の33社から1996年には14社へと減少してきている。言わば穀物輸出の窓口は少数化してきているのである。第二に、輸出穀物において、垂直的統合の進展・強化がみられたことである。穀物輸出企業は、生産地から輸出に至る各段階での流通施設(エレベーター)を直接ないし間接的に所有し、その流通を支配しているのである。こうした流通統合化の実態については、磯田(1996)や中野(1998)らによって明らかにされている。第三に、輸出穀物の調達を外注化するというものである。これは、主に日本の総合商社や穀物メジャーの一部(ガーナックやルイ・ドレファス)にみられた特徴で、全般的に過剰基調のアメリカ穀物需給の中で、穀物調達を外部に委託して輸出したほうがコスト的に有利、と判断したためである。

収録刊行物

  • 農業経済論集

    農業経済論集 53 (2), 73-82, 2002-12

    福岡 : 食農資源経済学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (9)*注記

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