シラス水田におけるかんがい水含有窒素の低減化

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  • シラス スイデン ニ オケル カンガイスイ ガンユウ チッソ ノ テイゲンカ

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抄録

鹿児島県は、畜産をはじめ露地および施設野菜、茶および果樹等の永年作物の栽培が盛んで、畜産廃棄物および農耕地から流亡した肥料成分によって、河川の水質が汚染されている。一方、水稲は湛水という特殊な環境で栽培するため、ダム機能、脱窒など、環境保全および浄化に貢献する機能を兼ね備えていることが知られている。そこで、本県に広く分布するシラス水田の環境負荷成分の浄化能を把握するために、かんがい水に含まれる硝酸態窒素が普通期水稲栽培期間中にどの程度浄化されるかについてのモデル試験を実施した。かんがい水に含まれる硝酸態窒素は水稲体に約25%が吸収され、脱窒および揮散によって55%がガス化した。水稲の生育時期別による浄化能(水稲体吸収+ガス化)は、植付け期から幼穂形成期までの生育前半に比べ、幼穂形成期から黄熟期の生育後半が高かった。以上の結果から、シラス水田において、かんがい水に含まれる硝酸態窒素は普通期水稲栽培期間に約80%浄化され、水稲生育後半での浄化能が高いことが明らかになった。

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