PCRによるユリ科植物からのアリイナーゼ遺伝子の検出

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  • PCR ニ ヨル ユリカ ショクブツ カラ ノ アリイナーゼ イデンシ ノ ケンシュツ

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抄録

本研究では、ネギ属植物に特徴的に含まれる含硫黄成分であるアリインを加水分解してアリシンを生成させるアリイナーゼ(ALI)に着目し、ネギ属植物を含むユリ科植物全体からPCRを用いてALI遺伝子を直接検出する手法の開発に取組んだ。PCRに用いるプライマーは、本県育成の赤タマネギ品種‘早生湘南レッド’から単離したALI遺伝子のcDNAクローン(Alli-1A)の塩基配列(北ら2002)と、遺伝子データベース上の既知のタマネギゲノミッククローンの塩基配列をもとに設計し、これを用いてネギ属を含む5科22属34種の植物の全DNAからPCRによるアリイナーゼ遺伝子の検出を試みた。その結果、ネギ属植物の他にヤマユリ等を含む複数のユリ科植物の全DNAから期待される大きさの増幅DNA断片が検出されるとともに、いずれのDNA断片とAlli-1Aをプローブに用いたサザン解析により、ALI遺伝子断片であることが確認された。以上の結果から、本研究で作成したプライマーを用いることにより、各種植物の全DNAからALI遺伝子を安定して検出できること及びALI遺伝子は少なくともユリ科植物に広く存在していることが示唆された。

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