業績ノート ブロイラー鶏の腹水症野外例とトリ白血病ウイルスによる実験的腹水症例の比較病理学

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  • ブロイラー鶏の腹水症野外例とトリ白血病ウイルスによる実験的腹水症例の比較病理学
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野外で腹水症に罹患したブロイラー鶏(4-8週齢)およびA亜群トリ白血病ウイルス(ALV)を腹腔内接種後腹水症に罹患したSPF鶏(4-10週齢)の病変を比較した。臨床的には、野外例と実験例とも、沈鬱、鶏冠のうっ血、腹部の膨満が特徴的であった。剖検では、野外例、実験例いずれも、腹水の貯留、心臓の腫大、心膜水の増量、肝臓の硬化、肝被膜の肥厚、肺のうっ血などがみられた。組織学的には、野外例、実験例の肝臓とも、うっ血、肝被膜の線維性肥厚、肝細胞の変性・壊死、萎縮、小葉間結合組織の増生がみられた。肺では、小葉間結合組織の水腫性肥厚、類骨・骨形成、小葉実質の萎縮がみられた。なお、野外例では、心臓の心筋線維の変性・壊死、線維化がみられたが、実験例ではこのような変化はみられなかった。以上より、野外例とALVによる実験例の病理変化は、著しく類似し、腹水症の発現のメカニズムとして、とくに肝臓における変化が重要な要因と推測された。

Journal

  • 鶏病研究会報

    鶏病研究会報 39 (2), 79-82, 2003-08

    つくば : 鶏病研究会

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