琉球列島に自生するアオイボクロNervilia aragoanaの保護を目的とした生態学的研究

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  • リュウキュウ レットウ ニ ジセイ スル アオイボクロ Nervilia aragoana ノ ホゴ オ モクテキ ト シタ セイタイガクテキ ケンキュウ

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抄録

アオイボクロNervilia aragoanaは琉球列島の比較的湿度の高い常緑樹林の林縁に自生していた。それぞれの群落は30~260個体からなっていた。自生地は暗い林床(相対照度1~2)から比較的明るい林床(粗対照度20~30)まで幅広かった。暗い林床ではアオイボクロが優占種となっていた。また、本種はサンゴ石灰質の砂地に多く見られた。琉球列島において本種は6月から7月にかけて開花し、花茎が熟した後に1枚の葉を展開した。それぞれの花の寿命は平均7日であり、結実している花茎の割合は18.6%であった。開花個体の球茎は未開花個体のそれより有意に大きかった。12月と3月のアオイボクロの調査では、古い球茎は消耗し、新しい球茎をストロンの先端に形成していた。多くの個体が複数のストロンを伸長させ、それぞれに新しい球茎を形成していた。複数の球茎を形成した個体の新しい球茎の大きさは、未開花の個体の球茎の大きさに等しかった。球茎を伸長したストロンは7月の調査の時には消失していた。

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