有明海島原半島沿岸域におけるクルマエビ人工種苗の放流効果の検討

Search this article

Description

有明海湾奥部の佐賀県早津江川沖合(佐賀放流群)と湾央部の長崎県島原半島の有明町地先(長崎放流群)でクルマエビ人工種苗を標識放流し,島原半島沿岸域で漁獲されたクルマエビについて2段サンプリングの市場調査を実施し,放流効果を検討した。回収率は湾奥部の佐賀放流群が1.25%,湾央部の長崎放流群が0.19%となり,同数の種苗をそれぞれの場所に放流した場合,期待される回収金額は佐賀放流群が長崎放流群より7.4倍高くなった。佐賀放流群は成長に伴い,湾奥部から南下し湾央部の島原半島沿岸域に加入したのに対し,長崎放流群の当該海域への加入量は著しく少なかったものと考えられた。このことから,島原半島沿岸域における放流種苗の回収を考えた場合,有明海におけるクルマエビの移動生態を考慮した湾奥部での放流の方が効果的と考えられた。

Journal

Details 詳細情報について

Report a problem

Back to top