ブドウえそ果病の研究(2) : ブドウハモグリダニによるブドウえそ果病の伝搬

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ブドウえそ果病は接木伝染のほか自然感染することが認められているが、媒介者は不明であった。本病の伝染経路を解明するため、発病園において無病の‘巨峰’直植え苗と鉢植え苗を用い、防虫状態の隔離栽培等の試験を行ったところ、土壌伝染ではなく地上部の微小動物の関与が示唆された。そこで媒介者の特定のため諸試験を行ったが、1995年8月(①)、1996年9月(②)および1997年7月(③)に勝沼町の本病多発園の罹病‘巨峰’または‘デラウェア’(ELISA検定により感染を確認)から採集したブドウハモグリダニを無病の‘巨峰’苗に接種吸汁させた区で、それぞれ翌年の4~5月に発病(葉のモザイクと新梢節間の短縮)が確認された(①:1/6樹、②:2/14樹、③:1/9樹)。ブドウハモグリダニの発生実態調査(344圃場)では、多発病地である勝沼町岩崎の発生圃場率73.1%に対し少発病地は平均9.1%で、本病の多発生地と本種の多生息地が一致した。アブラムシ、ヨコバイ、アザミウマ等による本病の伝搬は確認されなかった。

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