殺虫剤抵抗性イエバエ系統のクロルフェナピルに対する軽度の交差抵抗性

抄録

累代飼育した、酸化を含むさまざまな機構によるピレスロイド抵抗性イエバエ4系統と殺虫剤感受性イエバエ2系統、および2ヶ所で野外採集したイエバエに対するクロルフェナピルの殺虫活性を測定した。累代飼育したもののうち1系統では交差抵抗性はなく、他の1系統では2.5倍の交差抵抗性、また他の2系統では2倍の負交差抵抗性を示した。野外で採集した系統の交差抵抗性は1.2-1.6倍であった。これらの結果は、イエバエ駆除のためにクロルフェナピルを用いることは必ずしも交差抵抗性をもたらすことにはつながらず、また、高くなったモノオシキゲナーゼ活性に由来する抵抗性イエバエは、必ずしもクロルフェナピルに対して負の交差抵抗性を示さないことを示唆した。これらの結果から、P450とクロルフェナピルの活性化の関係について考察した。

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