カキ‘刀根早生'の加温栽培におけるせん定程度が樹勢および果実軟化に及ぼす影響

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  • カキ トネワセ ノ カオン サイバイ ニ オケル センテイ テイド ガ ジュセイ オヨビ カジツ ナンカ ニ オヨボス エイキョウ

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カキ‘刀根早生’を用い、加温栽培において葉面積を指標としてせん定程度を変え、樹勢と果実の軟化程度の関係を検討した。1.収穫直後の平均葉面積は、各区間で各年とも強区、中区、弱区の順に有意に大きかった。収穫後の平均葉面積と平均新梢長の間では、1次の相関関係は5%水準で有意な相関関係が認められたが、新梢長は同区の年度間では伸長の差がみられなかったので、樹勢の指標としては平均葉面積の方がよいと思われた。2.樹勢の違いによる果実肥大への影響は見られなかった。果実着色は弱区、中区、強区の順に早く進み収穫は早くなった。3.脱渋後の果実軟化は、岩田らの判定基準の軟化程度III及びIVを果実軟化したとみなして軟化率を示した場合、強区、中区、弱区の順に低く軟化しにくい傾向が見られた。これは、弱樹勢の樹は落葉が早いことから、葉の着生が採取脱渋後のエチレン生成を抑制し果実軟化しにくくすることと、着色期が緩慢に推移するために熟期が遅れることとなり、収穫が遅くなっても軟化が抑えられたという両方の可能性が示唆された。

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