牛床面積が肥育牛の行動と産肉性に及ぼす影響

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黒毛和種E産子去勢牛8頭を供試し、1頭当りの牛床面積の違いにより密飼区(推定体表面積の60%)と対照区(同120%)の各々4頭に区分けし、牛床面積の差が肥育牛の行動と産肉性に及ぼす影響について比較検討した。行動調査で佇立時間は13ヶ月齢までは密飼区が対照区より長く、その後短くなった。採食時間は両区に差はみられなかった。飲水、排尿回数は8、13ヶ月齢において、密飼区が対照区より多い傾向がみられた。密飼区は13ヶ月齢まで飼料摂取量、飼料効率及び期間DGの低下がみられたが、通算では飼料摂取量、DGに差はみられなかった。枝肉成績は密飼区でBMSNo.が高い傾向にあったが、BCSNo.には差はみられなかった。13ヶ月齢時にACH負荷試験を実施した結果、血清中コルチゾール濃度がふ化15分後両区とも上昇し、その程度は密飼区が大きい傾向を示したが、26ヶ月齢時での濃度変化に差はみられなかった。また血清中コルチゾール濃度は飲水回数、胚乳回数と正の相関(p<0.05)を示し、13ヶ月齢時には密飼区がストレス状態にあったことが要因と推察された。また9ヶ月齢時に密飼区の1頭を肺炎のため試験より除外した。これらのことから密飼いは開始当初に肥育への悪影響が考えられたが、出荷時の肉質においては影響はみられなかった。

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