業績ノート 新潟県における野鳥の病原体保有状況

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  • 新潟県における野鳥の病原体保有状況
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野鳥が鶏へも感染する病原体を保有し伝播する可能性もあるため、野鳥における各種病原体の保有状況について調査した。対象は、2003年7月-2004年3月、新潟県愛鳥センターで飼養されている鳥5目7科15種類について、30羽(延べ77羽)の血液、11飼育室および12羽のハトの糞便を用いた。検査として、1.血液塗抹標本の観察による住血原虫寄生、2.寒天ゲル内沈降反応によるLeucocyozoon caulleryi(Lc)の抗原および抗体検査、3.浮游法による内部寄生虫卵およびオーシストの検査、4.ドバト、キジバト、カラスから検出されたコクシジウムオーシストの鶏ひな投与試験、5.糞便のサルモネラ検査、6.NDのHI抗体検査を行った。その結果、1.ハシボソガラス、ハシブトガラス、フクロウにヘモプロテウス属原虫の寄生が認められたが、ロイコチトゾーン属原虫の寄生は認められなかった。2.Lcの抗原および抗体検査は陰性であった。3.ドバト、キジバトからコクシジウムオーシスト、回虫卵を、ドバトから毛細線虫卵を、ハシボソガラス、ハシブトガラスからはコクシジウムオーシストおよび毛細線虫卵を検出した。4.検出されたコクシジウムオーシストの鶏ひなへの感染はみられなかった。5.アオサギ、フクロウからSalmonella Infanisが分離され、野外における保菌の可能性が示唆された。6.NDの抗体価は5倍未満であった。これらのことから、野鳥において鶏へ伝播する可能性のある病原体が一部保有されていることが明らかとなった。

Journal

  • 鶏病研究会報

    鶏病研究会報 40 (2), 100-104, 2004-08

    つくば : 鶏病研究会

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