森林総合研究所構内のチョウ類相

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  • シンリン ソウゴウ ケンキュウショ コウナイ ノ チョウルイソウ

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茨城県つくば市の森林総合研究所構内で、1997年から2003年までチョウ類相を調査した。成虫の主要飛翔時期に野外で118日(198回)のトランセクト調査を行った。また補足的に成虫以外のステージの生息調査や、他者からの目撃・採集情報の収集も行った。これらの結果、トランセクト調査では52種(森林性34種、草原性18種)トランセクト以外の調査を含めると60種(森林性41種、草原性19種)のチョウが記録された。後者に基づいた科別の内訳は、セセリチョウ科10種、アゲハチョウ科8種、シロチョウ科6種、シジミチョウ科16種、タテハチョウ科12種、マダラチョウ科1種、ジャノメチョウ科7種であった。最優占種はヤマトシジミで、全個体数に約57%を占めていた。森林性種ではサトキマダラヒカゲ、キチョウ、ヒメジャノメ、ウラギンシジミ、ルリシジミ、アオスジアゲハ等の個体数が多く、優占種はいずれもジェネラリストであった。草原性種では、ヤマトシジミ以外には、モンシロチョウ、キタテハ、イチモンジセセリ等の個体数が多く、優占種はジェネラリストであるとは限らなかった。減少傾向が著しい種としてヒメウラナミジャノメが認められた。本調査地のチョウ類相と、過去に茨城県内各地で行われたチョウ類相調査の結果とを比較したところ、本調査地からは、茨城県南部の平野部に現在生息していると思われるチョウの約86%の種が記録されたことが分かった。試験研究機関の敷地が有するチョウの避難場所としての重要性について議論した。

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