飯縄山におけるハンノキ林の森林構造

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  • イイヅナヤマ ニ オケル ハンノキリン ノ シンリン コウゾウ

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抄録

長野県飯縄山に分布するハンノキ林の森林構造を調査した.40m×160mの調査区内におおける優占種のハンノキの胸高断面積は15.45m2/ha(全体の64.8%),幹の密度は559.4本/ha(全体の50.1%)であった.ハンノキの胸高直径階頻度分析は一山型を示し,直径15~17.5cmにモードがみられ,直径10cm未満の幹は少なかった.このことはハンノキが何らかの大規模攪乱後,一斉に更新したことを示唆している.一方,ヤチダモやハルニレの直径頻度分布はL字型を示し,稚樹が下層に比較的多く存在していた.このことはハンノキ林がヤチダモやハルニレの優占する林分へ更新する可能性を示唆している.これらの更新には水分などの土壌環境が大きく関係していると考えられた.また,ギャップ攪乱や地表攪乱などの攪乱体制が調査地の湿地林の更新に重要な役割を果たすものと考えられた.

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