北アルプス乗鞍岳における車道際のハイマツ年枝の伸長生長

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タイトル別名
  • キタアルプス ノリクラダケ ニ オケル シャドウ ギワ ノ ハイマツ ネンシ ノ シンチョウ セイチョウ

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中部山岳乗鞍岳の自動車道路付近のハイマツを対象に,その年枝長の測定によって最近20年間(1980~1999年)の年枝伸長量の推移を把握した.車道敷設による撹乱の影響を直接受けていないハイマツ群落内部,裸地との際縁部分,風衝斜面のハイマツは年枝伸長と前年夏期(6~8月)の気温と正の相関関係が認められ,それらの立地間の伸長推移には同調性が存在した.一方,車道敷設による撹乱の影響を直接受けている車道際斜面の上側(U区)および下側(L区)のハイマツは気温との対応関係は認められず,自然立地との伸長推移の同調傾向は顕著ではなかった.また,測定した20年間の平均年枝伸長量は5立地中U区で最小,L区で歳代であった.以上から,車道際では気候や地形といったマクロな環境条件よりも車道の存在がもたらす温度条件や消雪時期などの微細な環境条件がハイマツの年枝生長により強い影響をおよぼしていることが推察された.

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