Pacific whiingとスケトウダラの混合肉糊のゲル化特性と牛血漿粉末の影響

抄録

異なる魚類の冷凍すり身を混合し、加熱によるゲル形成能上の特徴を、さらに添加する牛血奬粉末との関わりにおいて検討した。パシフィック・ホワイティングとスケトウダラの冷凍すり身、および両者を異なる量比で混合したすり身を2.5%NaClまたは2.5%NaClと3%の牛プラズマ粉末と塩ずりした。塩ずり肉は30℃または50℃で予備加熱し、次いで90℃で20分加熱して、予備加熱ゲルと二段加熱ゲルを調製した。両加熱ゲルの破断強度(BS)、破断凹み(bs)、およびゲル剛性(GS=BS/bs)を、予備加熱時間を変えて測定した。結果は以下のとおりである。(1)混合した冷凍すり身から調製した塩ずり肉のBSとbsは30℃では予備加熱の進行に伴って増加するが、続く90℃、20分間の加熱で著しく減少した。この減少は、混合すり身中のパシフィック・ホワイティングの量比には関わりなく起こった。(2)混合したすり身を2.5%NaClと3%プラズマ粉末と共に塩ずりすると、塩ずり肉の加熱によるゲル形成能は著しく増加され、二段加熱ゲルのBSとbsは、塩ずり肉中のスケトウダラすり身の量比が大きいほどより高い値に達した。(3)予備加熱が30℃での場合は、混合した冷凍すり身とプラズマ粉末から形成される両加熱ゲルのBSとbsの間には直線関係が成立つが、50℃における場合は両値は増加せずに低い値に留まった。以上の成果から、本実験において混合した冷凍すり身とプラズマ粉末から調製した塩ずり肉は、いわゆる坐りゲル形成、すなわち30℃における予備加熱時間に依存した著しいBSとbsの増加と、それに続く90℃におけるBSのさらなる増加とbs値の僅かな低下、を引き起こすことが明らかになった。

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