六条大麦新品種「さやかぜ」の育成

抄録

「さやかぜ」は、農業研究センター(現作物研究所)において、「関東皮70号」を母本に、「関東皮68号(後の「すずかぜ」)」を父本として人工交配を行い、系統育種法により選抜・固定を図り育成した品種である。2003年度に皮麦農林37号「さやかぜ」として命名登録され、種苗法に基づく品種登録申請を行った。また同年度より群馬県で奨励(認定)品種に採用されている。「さやかぜ」は渦性の六条皮麦で、次のような特徴がある。(1)秋播性程度はIで、茎立性が中程度の中生種であり、「カシマムギ」に比べて、出穂期・成熟期ともに4日程度遅い。(2)短強稈で耐倒伏性に優れ、「カシマムギ」に比べて多収である。(3)オオムギ縞萎縮病のI・II・III型に対し抵抗性である。(4)赤かび病にはやや弱である。(5)整粒歩合が「すずかぜ」に比べて優れる。(6)押麦用としての精麦品質が優れる。(7)麦茶加工適性・麦茶品質とも、「カシマムギ」や「すずかぜ」と同程度であり、麦茶適性がある。

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