カボチャ白斑病の発生生態と防除に関する研究

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  • カボチャ ハクハンビョウ ノ ハッセイ セイタイ ト ボウジョ ニ カンスル ケンキュウ

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1984年に鹿児島県加世田市,吾平町,末吉町などのカボチャに発生した新病害「白斑病」について,発生生態と防除対策を検討した。病徴はカボチャの茎,葉柄などに灰白色の小病斑を多数生じ,葉柄は折れやすくなって下はから枯れ上がり,また果実表面にも隆起した小病斑を多数生じて商品価値を著しく損なった。これらの病斑からは常に一種の糸状菌が分離され,その接種によってカボチャに病徴が再現された。病原菌は新種の糸状菌Cephalosporiopsis cucurbitae(後に Plectosporium tabacinumと再同定された)と同定され,「カボチャ白斑病(英名 Wthite stem blight)」と新称した。病原菌は10~33℃で生育するが,菌糸生育,胞子発芽の適温は25~27℃であった。また感染,発病の適温も25~27℃で,20℃下では発病は極端に減少した。病原菌の感染には植物体の長い濡れ時間が必要で,12時間の濡れでは発病しなかった。また本病は分子胞子の飛散によって伝染するが,発病は胞子量の多少に大きく影響された。本病原菌に対する薬剤の作用性を検討した結果,硫黄剤,TPN剤,ベンズイミダゾール剤,スルフェン酸系剤など割合に広い範囲の薬剤が効力を示した。圃場における本病に対する防除効果は,TPNフロアブル,チオファネートメチル水和剤,イミノクタジン酢酸塩・銅水和剤などが優れ,発病初期から2~3回の散布で実用的な効果が期待できる。

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