水稲新品種「ほしたろう」の育成

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  • スイトウ シン ヒンシュ ホシタロウ ノ イクセイ

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抄録

「ほしたろう」は、1993年に北海道立上川農業試験場(農林水産省水稲育種指定試験地)で交配した「上育418号(ほしのゆめ)」と「空育150号(あきほ)」の雑種後代から育成され、2000年2月、北海道の奨励品種に認定された(系統名:上育427号)。同年、農林水産省に「水稲農林368号」として登録され、「ほしたろう」と命名された。本品種の出穂期は「きらら397」と同じ“中生の早””であるが、成熟期はそれよりやや早い“早生の晩””である。稈長は「あきほ」、「きらら397」並で、「ほしのゆめ」よりやや短い。穂数は「あきほ」、「きらら397」より多く、草型“穂数型””である。ふ先色“黄白””、芒性は“稀短””である。穂孕期の障害型耐冷性は“やや強-強””である。いもち病圃場抵抗性はやや弱く、葉いもち、穂いもちともに「きらら397」並である。いもち病真性抵抗性遺伝子型は“Pia、Pii、Pik””と推定される。耐倒伏性は「きらら397」、「あきほ」にやや劣り「ほしのゆめ」並である。玄米収量は「あきほ」に優り「きらら397」に比べてやや少収である。玄米品質は「あきほ」にやや劣るが、「きらら397」並であり、食味は「ほしのゆめ」並の、“上下””である。以上の特性から、「ほしたろう」を「あきほ」と「きらら397」の一部に置き換えて作付けすることにより、北海道産米の食味レベルを引き上げるとともに、その生産の安定化を図る。

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