岡山県におけるモモの花芽障害の原因とその対策

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  • オカヤマケン ニ オケル モモ ノ カガ ショウガイ ノ ゲンイン ト ソノ タイサク

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岡山県内の浅間白桃栽培園で発生した花芽の枯死及び花芽障害について、原因究明を行い、土壌反応の矯正による対策を明らかにした。1.岡山県で発生した花芽障害は、愛知県及び山梨県で発生した障害と同じホウ素過剰症と考えられる。岡山県における直接の原因は両県と異なり、カキ殻粉末資材の過用による土壌中のホウ素過剰と土壌pHの上昇に伴うマンガン欠乏が主因と推察される。花芽障害は、モモの適正pH域(pH5.5-6.0)の園では認められず、適正pH域を保つことが花芽障害の回避に有効であると考えられる。2.カキ殻粉末資材を土壌(中粗粒黄色土)に施用すると、資材の施用量に応じて熱水可溶性ホウ素が増加するとともに土壌pHが上昇し、交換性マンガンが減少する現象が認められた。3.花芽障害の対策として、果実収穫後の8月に硫酸第一鉄を主成分とする酸性化資材を地表面散布して土壌pHを6.2-7.0に低下させると、モモ樹のマンガン吸収を促進させ、花芽障害を軽減させることができた。このとき、酸性化資材の施用量はpH緩衝能曲線を作成して決定し、施用量が300g/kmを超える場合には数回に分けて施用する必要があった。

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