パパインの触媒するペプチド結合形成反応におけるアミノ酸エステル類のアミノリシス特性の速度論的評価

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  • パパイン ノ ショクバイ スル ペプチド ケツゴウ ケイセイ ハンノウ ニ オケル アミノサン エステルルイ ノ アミノリシス トクセイ ノ ソクドロンテキ ヒョウカ

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プロテアーゼであるパパインは、タンパク質の加水分解反応以外に、ペプチド合成反応や遊離アミノ基をもつアミノ酸エステル(AA-OR)類の重合反応を触媒する活性を示す。加水分解の触媒機構から、酵素の活性発現には活性部位に存在するCys残基のSH基におけるアシル基の転移が関与していることが明らかにされてきた。AA-ORの重合では、まずアシル基供与基質となるAA-ORとパパインがミカエリス複合体を形成して共有結合型のアシル化酵素中間体を生じ、次に、これに別のAA-ORのアミノ基が求核攻撃すること(アミノリシス)によってペプチド結合が形成されると考えられる。本研究では、重合反応におけるAA-OR類のアミノリシス特性を速度論的に評価するべく、アシル基供与基質としてBz-Gly-OEを用い、各種のAA-ORとの反応を詳細に検討した。その結果、アシル化酵素中間体のアミノリシスによる脱アシル化過程では、アシル化酵素中間体とAA-ORの複合体形成を通して水との競合的な反応が進行していることが示された。この機構から導かれた反応速度式を用いて、アミノリシス反応の速度定数を評価する方法を提案した。

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