水稲紫黒糯品種「小紫」の育成

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タイトル別名
  • スイトウ シコクウルチ ヒンシュ コムラサキ ノ イクセイ

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説明

1)「小柴」は、“早生の早”の紫黒糯品種を目標に、「東北糯149号」を母親、「秋田糯45号」(後の「たつこもち」)を父親として交配された組合せの後代から育成された紫黒糯種である。2)交配は1991年に温湯除雄法によって行われ、F1は温室において栽培をした。1993年にF2で個体選抜を行い、以後、系統育種法により選抜された。3)1998年から2004年まで奨励品種決定試験に供試し、2001年3月に「小柴」の名称で品種登録を申請し、2004年3月に登録された。4)出穂期、成熟期は、「たつこもち」とほぼ同じ、“早生の早”である。(5)稈長は「たつこもち」並の“短稈”、穂長は「たつこもち」よりやや長く、穂数は「たつこもち」並で、草型は“偏穂重型”である。6)稈の太さ、剛柔はともに「朝紫」並の“中”で、耐倒伏性は「朝紫」より強い“やや強”である。7)粒着密度は“中”、芒は“紫”で、“やや少”・“短”であり、ふ先色は“紫”、脱粒性は“難”である。8)いもち病真性抵抗性遺伝子型は、Pia・Pik型と推定され、圃場抵抗性は葉いもち・穂いもちともに不明瞭である。障害型耐冷性は“やや強”、穂発芽性は“極難”である。9)玄米の着色は「朝紫」と同じく、アントシアニン類の色素によるものである。千粒重は「朝紫」より大きい。10)収量性は一般糯品種「たつこもち」に比べ低く、紫黒糯品種「朝紫」と比較してもやや低い。11)加工適正は清酒、うどん等で高い。12)適応地域は、“早生の早”で耐冷性が比較的強い“やや強”なので、山間部を含む県内一円である。13)施肥量は、「あきたこまち」並とし、極端な多肥栽培は避ける。

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