イチゴの胚及び胚珠の発育過程

書誌事項

タイトル別名
  • イチゴ ノ ハイ オヨビ ハイシュ ノ ハツイク カテイ

この論文をさがす

説明

今後のイチゴ育種では、種属間雑種作出等の際に胚や胚珠培養法の確立が望まれる。この際、胚や胚珠が退化する前に摘出・培養することが重要となることから、胚や胚珠の発育過程を観察調査し、時期別の胚珠の摘出・培養時期を決定するための基礎資料を得た。1.不受精胚珠は、実体顕微鏡下で5月では交配後4日、12月では交配後12日で変形となり始め、その後一部退化が始まったのち、5月では交配後10日、12月では交配後18日で胚珠全体が退化した。2.受精胚は、実体顕微鏡下で5月では交配後7日、12月では交配後14日より観察が可能であり、胚珠内で形態的な大きさが最大限に達したのは、5月では交配後14日、12月では交配後26日であった。3.不稔実痩果及び稔実痩果における形態的(大きさ)変化は、観察期間中ほとんど変化することはなかったことから、痩果の外観からは胚や胚珠の形態的変化を予測できなかった。4.胚の発育は、果実の成熟日数と連動しており、時期ごとの成熟日数の割合から、胚及び胚珠の形態的変化を予測可能と推察される。5.種属間交配等における胚や胚珠培養の際に、不受精胚珠が退化する日数を果実の成熟日数から予測し、これ以前の期間が培養時期の目安であると考えられる。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ