栽培期間延長と外葉除去によるチンゲンサイの硝酸イオン含量低減化

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  • サイバイ キカン エンチョウ ト ガイヨウ ジョキョ ニ ヨル チンゲンサイ ノ ショウサン イオン ガンリョウ テイゲンカ

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抄録

葉菜類は、健康への影響が懸念されている硝酸イオン濃度が比較的高いため、国内外において作物体中の硝酸イオン濃度適正化のための具体的手法が求められている。そこで、静岡県特産のチンゲンサイにおいて、葉位・部位別の硝酸イオン濃度を明らかにするとともに、栽培期間の延長と外葉除去枚数の増加により硝酸イオン濃度を低減化する手法を検討した。1.同一個体のチンゲンサイであっても、葉位・部位により硝酸イオン濃度には413-6566ppmもの開きがみられた。2.硝酸イオン濃度は外葉(旧葉)が最も高く、内葉(新葉)になるに従い急激に低くなるとともに、いずれの葉位でも葉身より葉柄で高い傾向がみられた。アスコルビン酸および糖含量は、硝酸イオン濃度とは逆に内葉になるに従い増加した。3.慣行栽培より栽培期間を2または5日間延長し、外葉を3-4枚除去する収穫調製方法により、出荷規格の調整重は確保しつつ、株当たりの硝酸イオン濃度が3000ppm以下に低下した(慣行は3675ppm)。4.栽培期間の延長により葉色が目立つほど淡くなることはなく、アスコルビン酸および糖含量については増加する傾向がみられたため、本手法により簡便に硝酸イオン濃度の低いチンゲンサイを生産できる可能性が示唆された。

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