和歌山ダイコンの優良系統の育成とその特性

書誌事項

タイトル別名
  • ワカヤマ ダイコン ノ ユウリョウ ケイトウ ノ イクセイ ト ソノ トクセイ

この論文をさがす

抄録

1.和歌山県特産の和歌山ダイコンについて、す入りの発生が少ないこと、根尻部の肥大が良く根身の形状の揃いに優れることを目標に、母本の選抜により優良な2系統(紀州白2006、N-1-1)を育成した。2.紀州白2006の特性は以下のとおりである。1)根身の形状は、根長が27cm前後で、根径は根上部が平均70mm、根尻部が平均54mmであり、やや尻細型であるが、市販の紀州白大根に比べて根尻部の肥大は良く、形状の揃いも良い。しかし、N-1-1に比べると形状の揃いが劣ることから、今後さらに改良の必要がある。2)す入り株の発生率は5%(2006年)とかなり少ない。3)葉長は平均67cmでやや長い。4)空洞の発生程度は市販の紀州白大根に比べて少ないものの、N-1-1に比べると多いことから、今後さらに改良の必要がある、3.N-1-1の特性は以下のとおりである。1)根身の形状は、根長が27cm前後で、根径は根上部が平均67mm、根尻部が平均59mmであり、根尻部の肥大に優れ、揃いは非常に良い。2)す入り株の発生率は15%(2006年)で少なく、実用上問題になるす入り指数2以上の株の発生はほとんどない。3)葉長は平均52cmで短い。4)根身内部の水浸状褐色症(仮称)が発生する株があり、今後、肥培管理方法等の検討が必要である。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ