ブドウ‘翠峰'に発生した果皮褐変症状

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  • ブドウ スイホウ ニ ハッセイシタ カヒ カッペン ショウジョウ

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説明

植物生育調節剤(GA及びCPPU)をブドウ‘翠峰’の果粒肥大処理に用いて、果実の成熟時期の違いが果面障害の発生に及ぼす影響について検討した。1.果面障害は収穫適期の初期には発生が認められなかったが、後半から増加し始め、適期を過ぎると急増した。‘翠峰’の果面障害の褐変部位は果肉ではなく、表皮、亜表皮の細胞組織の一部であった。2.成熟期が早く糖度が高かった無処理区、CPPU区は糖度の低かったGA区に比べて果面障害の発生が早くから確認され、成熟期の発生率が高かった。さらに、GAを果粒軟化20日後に果房に散布すると、無処理果房に比べて成熟期の糖度が低く、果面障害果の発生が認められなかった。3.障害果は健全果に比べて果粒重が小さかった。酸含量0.5g/100ml以上、果汁糖度17%以下の果粒に障害は発生しなかったが、酸含量0.5g/100ml以下、果汁糖度18%以上の果粒に障害が多く発生した。4.以上の結果から、‘翠峰’の果面障害は、果実の成熟に伴って発生する現象であり、糖度が高く、酸の低い果粒に発生し、成熟が進行し収穫適期を過ぎると発生が急増するものと考えられる。

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