稲における土中出芽性の評価方法の開発と土中出芽性に優れた品種の育成

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  • イネ ニ オケル ドチュウ シュツガセイ ノ ヒョウカ ホウホウ ノ カイハツ ト ドチュウ シュツガセイ ニ スグレタ ヒンシュ ノ イクセイ

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水稲の湛水土中直播栽培において重要な特性である土中出芽性に関する検定方法として、25℃3日催芽の発芽種子播種、温度25℃、播種深度を2cmとする試験条件を設定した。深度2cmに播種できるシーダーテープを用いた圃場検定を開発した。室内検定と圃場検定の間に有意な相関を認めた。土中出芽率が高い品種においては室内検定と圃場検定の結果が異なる品種が認められたため、室内検定の条件を播種深度3cm、20℃とした。国内外の約300品種を室内検定した結果、出芽率の変異が0-95%となり遺伝的な多様性が明らかとなった。圃場検定において最も土中出芽率が高い品種は、中国品種のTa Hung Kuであった。土中出芽性に優れた交配親としてTa Hung Kuを選定した。土中出芽性に優れた遺伝資源として、赤米、Arroz da Terra、Dunghan Shali、Ta Hung Kuを用い、キヌヒカリ、どんとこいとの交配後代を育成し、土中出芽検定による選抜・育成を行った。赤米、Ta Hung Kuの交配後代では、初期世代から土中出芽性検定による選抜を行い、土中出芽性に優れたいくつかの系統を選抜した。一方、Arroz da Terra、Dunghan Shaliの交配後代では、葉いもちが多発するなど、土中出芽性や農業特性に優れた系統を選抜できず、交配親の違いによる育成の難易の差が大であった。Ta Hung Kuの交配後代であるF3、F4、B1F2、B1F3、B1F4系統の土中出芽性をみたところ土中出芽性は多数の遺伝子によっていると推定され、F3系統と選抜したF4系統の土中出芽率の間に高い相関関係が認められた。B1F4選抜系統で、Ta Hung Ku並の土中出芽率の有望系統を選抜できた。QTL解析において、第2、第5染色体上にいくつかのQTLと思われる箇所が認められた。

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