マグネシウム系固化材による高水分有機性廃棄物の肥料化(1) : 泥状クロレラ廃棄物について

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  • マグネシウムケイ コカザイ ニ ヨル コウスイブン ユウキセイ ハイキブツ ノ ヒリョウカ 1 デイジョウ クロレラ ハイキブツ ニ ツイテ

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抄録

クロレラ藻体やその熱水抽出液には植物生育にとって必要な養分や植物ホルモン様作用物質が含まれていることが知られている(日本植物調節剤研究協会1982、1983、中尾ら1994、1996、2003、2004、米山2002、伊達・塩崎1997)。クロレラ藻体の生産工程では高濃度のクロレラを含む泥状クロレラ廃水が排出する。それらは産業廃棄物として取り扱われているが、上記のような有益な機能を有する物質が高濃度に残存する。ここでは脱水し難い高粘性の泥状クロレラのハンドリング性を弱アルカリ性のマグネシウム系土壌固化材と混練することによって改善し、クロレラ含有固形有機肥料として再資源化し、その施用効果をコマツナを用いて検証した。その結果、以下のことが明らかとなった。(1)マグネシウム系土壌固化材を混練した泥状クロレラは短期間に脱水固化が可能であり、その後の天日乾燥によって水分含量がほぼ20%まで低下させることができた。(2)上記固化物は泥状クロレラのもつ汚物感を低減し、悪臭発生を抑制するなど著しくハンドリング性が改善されていた。天日乾燥後に破砕したクロレラ含有固化物はポット栽培したコマツナの生育を著しく促進した。以上の試験結果から、泥状クロレラとマグネシウム系土壌固化材との混練によって産業廃棄物である泥状クロレラをクロレラ含有固形有機肥料として再資源化できる可能性を見出した。

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